ミアンダ配線パターン 等長配線

 プリント基板上のパターン配線長をそろえ、信号の遅延時間合わせる為の等長配線に使用する配線の呼び名でミアンダ(蛇行)配線と言います。

下図のように同一層でミアンダを実現すると配線に多くのスペースが必要になる為、全体の配線が

長くなってしまいます。

その為、配線長を短くさせる為にあえてミアンダによる等長配線を避けるケースもあります。

周波数と基板サイズ、基板仕様、シミュレーションの活用により検討し最終的にはお客様(回路設計者)との相談により全体としてより良い信号品質、ノイズ対策になるように選択していくこととなります。

例)ミアンダ配線

パスコンの配置

 ノイズ対策用のパスコン

・ICの電源ピンに可能な限り短くなるように配置し、GNDピンへの接続も確実に行うようにします。

その際にビアは複数個打つように心がけます。

・同じ電源に容量の異なるパスコンが着く場合には容量の小さい順に必要とする電源ピンに接続します。

例)10μFの電解コン、0.1μF、1000PFのチップセラコンの場合1000PF、0.1μF、10μFの順番でICの電源ピンに近い場所に取り付けます。

ただし電解コンデンサは部品配置に無理があるならば離れた場所に配置しても良いですが、スイッチング電源用の電解コンデンサ(パスコン)はこの限りではありません。

・同じ電源ラインに数個のパスコンを入れる場合は必要な箇所に均等に部品配置するようにします。

PLLの配線

 クロック生成に用いられる回路で入力電圧により周波数を変換可能なVCO(発振器)をもっています。

IC内部で構成されている場合、PLL箇所はアナログ回路と同等と考えて最短で可能な限り太く配線し、この部分だけでパスコン接続をした後に一箇所でGND、電源接続します。

配線パターンの影響で発振周波数が低くなるのを抑えることが出来ます。

   例)PLLの配線

水晶発振子付近の配線

  水晶発振子とICを接続する配線は浮遊容量やインダクタンスによる特性の劣化を防止する。

その為にICのピンに隣接して配置し、最短で配線する。

バイア(VIA)を使用しての接続はEMIの発生減となる為、基本的にNGです。

他の信号配線からの干渉をなくす為に周囲はGNDでガード又はベタGNDとすることを基本とします。

 さらに水晶発振子付近や信号がはいるICのパッドの下にも他の配線を通ずにGNDベタにします。

これらの対策によりノイズ発生の防止になります。

インピーダンスコントロール

 プリント配線板パターンの配線幅、銅箔厚、板厚、基板の構成を変えて特性インピーダンスを調整します。

 高速で動作している信号を長く配線すると反射の原因となりそれを減らす為にICの信号源インピーダンス、基板の特性インピーダンス、負荷インピーダンスをあわせることをインピーダンス整合(マッチング)

といいます。

それぞれの抵抗を等しくすると最大の電力が取り出せます。

この値が一致していないと反射がおこります。

特性インピーダンス参考

プリント基板 配線曲げ方法

 プリント基板上のパターン配線は下図のような直角曲げ、鋭角曲げは基本的にNGです。    

・鋭角配線     
・直角配線 90°配線

 理由は直角、鋭角に曲げると曲げ部分での配線幅の変化が大きくインピーダンスが変わることにより反射が起きます。

また、製造上も鋭角、直角部がはがれ易くなるためあまり好ましくありません。

反射ノイズの対策や基板品質の安定の為に通常下図のような45°配線で作業を進めます。

・45°配線

高速信号の配線では下図のような円弧配線で作業することもあります。

・円弧配線

アンテナ配線の処理

 下記のように配線パターンで細い配線で接続先が無い箇所はアンテナになってしまいます。

その為VIAをうつ、切れている箇所を接続する処理が必要です。

 またグランドの接続が増えることでGNDのインピーダンスを下げる効果、信号のリターンパスを確保することが出来るのでノイズ対策に効果があります。

特に両面基板の場合は両面で切れ間が無いグランドをイメージすることが、ノイズの低減に重要な確認事項になります。

 *CADVANCEのERC(DRC)では線での余剰配線はチェック可能ですが、面データではチェックできないので目視での確認になります。

リターン電流 (リターンパス)

 リターン電流またはリターンパスとはドライバーから信号配線を通ってレシーバーに流れた電流が主にGNDから戻ってくる電流です。

 高速信号になると戻りの経路が多層板の場合GND層の信号の直下を通ります。

その為VIAの抜きなどで分断されない様に注意することが大切です。

 この戻りの経路が長くなると放射ノイズが大きくなります。

両面板の場合は切れ間の無いベタで尚且つVIAを多数設ける事でリターン経路を確保するようにします。

*下の図のようにVIAの内層抜きによりGNDが分断されているとリターン経路が信号の下に確保出来ません。

☆VIAをずらす事で信号の下に経路が確保できます。

・基板の実装密度や基板の層数により分断されることもありますが、プリント基板設計の際に少しでも意識することでノイズの低減に効果が有ると思われます。

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